責任者
早乙女 雅夫
良き医師は良き研究者であれ
研究責任者 早乙女 雅夫
浜松医科大学循環器科基礎研究グループでは、山崎 昇初代教授から伝統的に「循環器病態生理における心筋代謝」を主な研究テーマとしています。
2017年4月からは私、早乙女が循環器基礎研究グループの研究責任者を拝命しました。代々受け継いだ意志「良き医師は良き研究者であれ」を守りつつ、世界に向けて研究成果を発信し続けています。
我々基礎研究グループでは電気生理、虚血再灌流障害、心臓の興奮収縮連関、ミトコンドリア機能、心筋糖脂質代謝などの研究を中心に行って来ました。最近では、細胞内のレニン活性、心筋のインスリン感受性、ミトコンドリア形態調節タンパクなどの研究を行っており、担当した大学院生達は日本循環器学会をはじめ、米国心臓協会学術集会(AHA)、ヨーロッパ心臓学会(ESC)、国際心臓研究学会(ISHR)などで発表を重ねています。
ミトコンドリアはエネルギーを産生するばかりではなく、病的状態において細胞死をも決定づける重要な細胞内器官です。そのためミトコンドリアは病態生理の研究や創薬のターゲットとして常に熱い視線が注がれて来ました。
私たちは今、その中でもミトコンドリア形態変化(mitochondrial dynamics:movie参照)に注目しています。ミトコンドリアは常に分裂と融合を繰り返すことによって細胞の恒常性を保っており、このmitochondrial dynamicsの異常は心筋細胞のエネルギー代謝や病態形成に深く関与すると報告されています。私たちはこのmitochondrial dynamicsの異常が循環器疾患の病態形成に与える影響を解明しようと研究を続けています。
基礎研究グループはで大学院生(浜松医科大学大学院博士課程)が中心となって研究を行っており、これまで殆どの大学院生が4年間で学位論文を英文雑誌に発表しています。
また、基礎研究グループでは最新の研究技術を習得するためにも、皆に研究留学を勧めています。これまでの留学先は、アメリカではフィラデルフィア、ロサンゼルス、シカゴ、ワシントンDC、ミルウォーキー、ヨーロッパではドイツ、ベルギーなどがあります。